タンジュンハラパン小学校での環境教育

  ウータン森の通信99号で紹介したとおり、20101月から毎月1回、FNPF、村の小学校、村人の協働事業として村の小学生に対して環境教育が行われている。この事業はなんと1年以上続いており、今回14回目のプログラムに参加してきた。

子どもたちへの環境教育 

 

 村人の7割が風邪をひいている状況の中、環境教育は実施された。大人も子どももコンコンと咳をする中、子どもたち23人の歓声が響き渡っていた。風邪をひいてしんどい中でもこれだけ参加者が多いのは、子どもたちにとってとても楽しみなものだからだと思った。

子どもたちが集めた苗木のための種

 

 進行は、1年前と同じくFNPFスタッフのアルバイン。彼も熱がある中、頑張っていた。今回は、最近FNPFが植林を始めたラバンドゥ地区で植林するための苗木の種集め。ラバンドゥ地区は白い砂地で乾燥しており、これまでFNPFが植林してきたブグル地区よりも植林が難しい地区だ。子どもたちは熱心に種を集め、あっという間に袋いっぱいとなった。単に環境教育をするだけでなく、その成果が別の事業に活かされる。相互に連携した素敵な事業だと思った。

 この環境教育事業、最近は他地域との交流が活発化しているそうだ。201010月はタンジュンプティン国立公園に位置するスンガイチャバン村の中学生40人をタンジュンハラパン村に招待して、村の小学生と交流・フィールドワーク。オランウータンも見たそうだ。11月はパンカランブン(村から最も近くの空港がある街)の高校生が来てタンジュンハラパン村の小学生と植林活動。12月はクマイ(村から最も近くの街)の小学校へ行ってそこで植林活動。20111月はタンジュンハラパン村での清掃活動。

交流した多くの学校からタンジュンハラパン村のように月1回環境教育を実施してほしいと要望があるそうだ。この環境教育事業が、他地域でも受け入れられ、重要だと思われていることがうかがえる。しかし、現状では、FNPFは環境教育事業に充てるための十分な予算がない。現在はタンジュンハラパン村に集中し、他の学校からの要望は断っている。